デジタル庁設立の動きが具体化する中、デジタル化をしたいと考える自治体が増加。しかし、デジタル化をしても業務改善や見直しにつながらないどころか業務量が増加するケースも散見される。このような問題に対する選択肢が“デジタルアウトソーシング”だ。
※下記はジチタイワークスVol.12(2020年11月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社グラファー
デジタル化で見られるアウトソーシングの失敗とは。
別々の会社が“デジタル化”と“アウトソーシング”それぞれの役割を担うことによって、利便性や効率化の議論がなされない事態は避けるべきだ。議論がされない状態をたどったままだとシステムも業務も改善されない。例えば、紙の場合には申請日の記入が必須だが、デジタルなら送信日時が記録されるため入力は不要となる。役割が分断されると項目の要不要などの議論がなされず、紙ベースの運用をそのままシステムに反映しやすくなり、最適化がされないといった問題が発生。結果として、住民にとって使いにくいオンラインシステムができあがってしまうのだ。
満足度が高いオンライン申請には、デジタルアウトソーシングが有効。
業務全体を委託するデジタルアウトソーシングは、システムと業務との連携が密接になり、改善が行われやすくなるため、市民や事業者から満足度の高いオンライン申請を構築できる。
例えば、住民からの問い合わせを受けて課題が判明した場合、すぐさま申請画面に改善策を取り込むことで、利用者や職員の声をもとに、システムをどんどん利用しやすいものへと変えていくことができるのだ。また、委託先はシステムの前提となる運用設計にも踏み込むことになるので、その部分における法令までをしっかり理解した委託会社を選ぶことで、より効果的なデジタル化・運用設計が期待できる。
デジタルアウトソーシングとは
デジタルアウトソーシングとは、デジタル化への移行を含む業務全体を外部委託する方法だ。窓口業務や事務業務を委託するのと同時に、オンライン申請を導入するため、業務運用とデジタルとの足並みを揃えやすい。デジタルに合わせた業務の最適化ができるため、より効率的な形で運用を設計することができる。
[導入事例・神戸市]
全体の約8割がオンライン申請利用者の使い勝手を追求
同市ではグラファーのサービスを採用し、補助金制度のオンライン申請を実施しました。デジタル化と法令への理解に強みがあるグラファーならではの推進力で、「システム」と「業務運用」の両軸を専門的な立場で支援していただきました。
神戸市 経済観光局 経済政策課
担当課長 岡田 篤(おかだ あつし)さん
グラファー社が提供するデジタルアウトソーシングの特徴
1.デジタル化と事務業務を一括で外部委託できる
オンライン申請の導入に加え、郵送申請の受付やデータの入力、審査、住民からの問い合わせ対応を行うコールセンター業務を一括で委託できる。
2.利用者の意見をもとにシステムや業務が改善される
アンケート機能を活用し、運用が開始した後にも利用者の意見を取り入れ、迅速にシステムや運用が改善される。
3.関連法令に対する理解をもとに提案が行われる
デジタル化を進めるうえで重要な関連法令や制度への理解にもとづきながら、他市事例も踏まえた提案が行われる。