どんな場所にも大容量の電気を供給
災害時の避難所では電気が欠かせない。停電してしまった時に役立つのが、大容量の電気を供給できるバッテリーだ。非常用バッテリーの販売を手がける、「ヨコモリ電池屋コーポレーション」の横森さんに話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.10(2020年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社ヨコモリ電池屋コーポレーション
スマホは水・食料等に次ぐ最低限の避難所環境ニーズ。
台風による大雨・洪水や地震などの大規模災害に見舞われ、住民が避難所生活を余儀なくされるとき、できるだけ安心できる環境を整えるのが自治体の役目だ。水や食料はもちろんだが、電気がない暮らしの不便さやフラストレーションは想像以上だろう。
特に携帯電話やスマートフォンが普及してからというもの、多くの人が情報源をそれらに頼るようになった。被災の当事者である避難所の住民にとって、被害状況を知ったり外部と連絡を取ったりできる携帯電話やスマートフォンは生活のキーデバイスであり、もはや欠かすことのできないライフラインとなっている。
内閣府の調査※によると、最低限の避難所環境ニーズとして「水」「食料」「トイレ」「暑さ・寒さ対策」に次いで多いのが「携帯電話・スマートフォンの充電ができる」という回答で、その割合は約66%にも達していた。
国は地方自治体に対し、「大規模災害発生時、人命救助の観点から72時間は外部からの供給なしで非常用電源を稼働できるようにしておくことが望ましい」と指導している。つまり、3日間はバッテリーを持たせられる電源が避難所に必要なのだ。そのような場面で頼りになりそうなのが、ヨコモリ電池屋コーポレーションの「D-POWER6000」だ。
※内閣府「指定避難所等における良好な生活環境を確保するための推進策検討調査報告書」(平成30年8月)
6,000Whもの大容量で72時間の電力供給を可能に。
D-POWER6000は、緊急時でもスムーズに電気を供給できる大容量蓄電池。定格出力(指定された条件下で安全に達成できる最大出力のこと)3,000W、蓄電池容量6,000Whという、発電機に匹敵する高出力でありながら、簡単に持ち運びできるのが特徴だ。
横森さん曰く、「非常用バッテリーは色々ありますが、6,000Whで持ち運べるものは少ないと思います。従来の蓄電池では難しかった、高出力の機器も複数同時に使うことができます」。
電気製品で換算すると、スマートフォンの充電(10W)なら約600台、ノートパソコン(25W)なら約240時間、小型冷蔵庫(100W)なら約60時間使用できる(使用ワット数から計算した目安)。100人程度の避難所なら3日間は十分に電気を供給できるという。
蓄電池はクリーンな電気なので、エンジンやガスの発電機と違って室内での使用が可能だ。ソーラーパネルを設置すれば太陽光で電気を補充することもできる。ポータブルの利点を活かし、自治体のイベントに持ち出したり、あるいは貸し出したりするなど、災害時でなくとも様々な使い勝手がある。
電気が使える安心感を提供し新サービスの開発にも注力。
令和元年9月に発生した台風15号では、千葉県で大規模かつ長期にわたる停電があり、災害時の電力確保の重要性を改めて知らしめた。
これを契機にヨコモリ電池屋コーポレーションでも、東京都の立川市にD-POWER6000を、世田谷区に3,000Whのタイプをすでに納入したという。
「いずれも用途は防災です。災害時に電気があるだけで安心感が違いますよね。どんな場所でも使えることは大きな付加価値でしょう。最近は大規模災害が多くなっていると感じます。首都直下型地震、南海トラフ地震が30年以内に起こるともいわれていますので、今こそ“備えあれば憂いなし”の精神が必要でしょう」と防災意識の必要性を強調する横森さん。
「災害が起こった時、一人でも多くの人に、ヨコモリさんの製品(やサービス)があって助かったと言ってもらえれば、防災に関わる会社冥利に尽きます」と思いを語る。
設立以来、一貫して“防災”に尽くしてきたという同社。自治体や地域のさらなる防災対策に貢献すべく、現在も新たな製品・サービスの開発に努めている。
Interview
ヨコモリ電池屋コーポレーション 横森 弘充さん
情報インフラを保持することで避難所生活のストレスを軽減。
災害が起こり、各地域で避難所が開設されるたびに問題視されるのが、避難所の生活環境だ。電気が使えないデメリットは計り知れない。避難者の安全・安心のために大容量蓄電池はぜひ備えておきたい。
大容量蓄電池の導入メリット
1.どこにでも持ち運んで、設置するだけ
キャリーバーとキャスターが標準装備で付いているので、転がして楽に移動できる。重量は約48kg、サイズは560mm×450mm×200mmと、普通のキャリーバッグ程度の大きさだ。誰でも、その場で即時使用可能。
2.ポータブルでありながら大容量を実現
蓄電容量約6,000Whと大容量のリチウムイオンバッテリーを内蔵しているので、従来のポータブル蓄電池より、長時間の使用が可能。
3.災害時以外の様々なシーンで大活躍
災害時の使用は用途の一例であり、それ以外でも様々なシーンで使用されている。ロケなどの野外撮影、キャンプ、スポーツイベント、祭りや屋台、ステージイベントなど。どこでも使えるポータブル電源として、庁舎や公共施設に場所を取らずに備えておくことができる。
4.さらに大容量が必要になっても対応可能!
避難所の拠点となるような基幹施設では、6,000Whの蓄電池でカバーできないこともある。そのような場合は、大型の蓄電池と太陽光発電を組み合わせて、さらに大容量の電気を供給することが可能だ。規模に合わせ、停電でも全く問題なく対応できる設備を提案。
CHECK
あらゆる防災・減災対策で自治体の課題を解決!
ヨコモリ電池屋コーポレーションは、ポータブル蓄電池をはじめ、あらゆる防災・減災のための製品やサービスを取り扱う防災のプロフェッショナル。現在、川の増水をモニタリングするシステムや、都心における大規模地震時の通電火災(電気が原因の火災)の初期消火システムなども開発中だという。「自治体の課題解決に向けたご提案をいたします。防災のことなら何でもご相談ください」。