ジチタイワークス

まちのPRと二次交通の活用を観光型MaaSでサポート。

最近、世界的に話題になっているMaaS(Mobility as a Service)。ICTを活用し、バス、電車、タクシーなど様々な交通手段をシームレスにつなぐ新たな“移動”の概念で、誰でも効率よく移動できることを目指す。令和元年から観光型MaaSの実証実験を行っている「駅探」の田中さんに話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.11(2020年9月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社駅探

地域における交通の課題を解決しまちの活性化につながるMaaS。

経済産業省と国土交通省は、地域における交通の課題解決や経済の活性化などを狙いとして、日本版MaaSを積極的に推進している。「観光地においてMaaSを導入した観光型MaaSは、出発地から目的地までのルートを、従来の鉄道やバス、タクシーを利用して案内できるなど、二次交通の利用促進の効果が期待できます」と田中さんは語る。

通勤・通学、仕事、旅行などで移動するとき、欠かせない存在となっている「乗り換え案内サービス」。駅探は、国内で初めてインターネットによる“乗り換え案内”を開始して、今や毎月1,200万人が利用する大人気のサービスに。法人向けには、利用者に合わせた観光ルートを提案する「旅程検索サービス」事業を展開している。

令和元年には旅行ガイドブック「るるぶ」を発行する「JTBパブリッシング」と提携して、観光型MaaSを開発。駅探が有する交通検索システムと、るるぶの観光情報データベースを掛け合わせることで、旅行者一人ひとりの好みに合う旅行プランと最適な交通ルートを検索できるというものだ。

射水市など3自治体と連携して昨年から実証実験を進行中。

駅探は令和元年10月から富山県の射水市、高岡市、氷見市の観光協会と実証実験を行っている。「まずお声がけした射水市は県の北西部にあり、観光スポットやレジャー施設、映画やドラマのロケ地、豊かな自然や食など魅力あふれる地域です。しかし、JRの駅がなく交通が不便ということもあり、観光情報を国内外に向けて十分にPRできていない。そのため、なかなか個人旅行客が増えないという課題を抱えていました。そこで、隣接する高岡市と氷見市にも声をかけて、一緒に実証実験を進めることにしました」。

高岡市は北陸新幹線・新高岡駅がある、万葉集の歌人・大伴家持ゆかりの地。同市と氷見市には「忍者ハットリくん列車」「ドラえもんトラム」など特色のある交通機関があり、二次交通の利用促進も実証実験の目的とした。

利用者に合わせた観光プランを最適な交通機関とともに提案。

現在、射水市では公式サイト「きららか射水観光NAVI」内で、観光モデルコースの参考として、観光型MaaSを活用した「モデルコース提供サービス」を利用できるようにしている。検索画面で「出発点」「目的地」「到着地」「日付」、さらに「買う」「見る」「食べる」「遊ぶ」のカテゴリーから希望のジャンルを選ぶことで、自分の好みに合った観光プランと、最適な交通機関・移動ルートが表示される。「パンフレットやホームページでもモデルコースが紹介されていますが、あくまでも一例であり、情報量も限られています。しかし、このシステムを使えば、一人ひとりの要望に合わせたオリジナルのプランをご提案でき、あまり知られていないスポットまで、地域の交通機関を使って効率よくまわることができるのです。すでに日本語や英語など5カ国語に対応していて、スマートフォンを活用したサービスも本格的にスタートする予定です」と田中さん。

旅行者にとっては、新たな観光スポットを発見したり好みのプランで効率よく観光できたりと、便利で楽しいサービス。自治体にとっては、低予算で、観光地としての魅力や利便性を世界中に発信するチャンスに。さらに市民にとっては、二次交通の利用者が増えることで生活路線を維持でき、まちの活性化にもつながる。観光型MaaSは、これから日本でより進化しながら、普及していくことだろう。

駅探 コンテンツビジネス部 カスタマーディライトグループ 田中 幸史(たなか ゆきちか)さん

個人の趣味嗜好に合わせた最適な観光ルートを提案する。

活用事例:射水市観光協会の場合

観光客に寄り添いながらも二次交通の利用が促進できる

「射水市は人口9万2,000人ほど、海辺と里山、町という3つのエリアがあるコンパクトシティです。公共交通を使う個人旅行客をこれから増やしていきたいと考えて、実証実験に至りました。

観光型MaaSの魅力は、二次交通の情報を利用者に伝えられて、さらにお客様にあまり知られていないような観光の情報を発信できる点にあります。観光地をスムーズに移動してもらうためには、二次交通の整備がカギになります。実証実験をきっかけとして、観光客にも分かりやすいコミュニティバスの運行形態を検討しているところです。観光型MaaSをうまく活用して、観光客はもちろん市民にとっても暮らしやすいまちづくりを進めていきたいと考えています」。

事務局長 春日 哲男さん

観光型MaaSの特徴

1.効率的な観光ルートを提示

観光ルートを効率的にまわれば、より多くの施設に立ち寄ったり、長く滞在したりすることができる。飲食店やお土産店での滞在時間が長くなると、消費額が増えて旅の満足度も上がる。

 

2.二次交通の利用を促進

コミュニティバス、レンタサイクル、タクシー、フェリーなど地域交通網の時刻表情報をデジタル化。利用者に合わせて案内することで、乗客の増加と利便性の向上が見込まれる。

 

3.あまり知られていない観光スポットを提案

交通が不便なためにこれまで紹介しづらかったスポットも、二次交通のデータを使うことで提案しやすくなる。大手旅行会社の観光スポットデータを閲覧することも可能だ。

 

観光型MaaSの実証実験を行う自治体を募集中!

駅探では、現在、さらなる参加自治体を募集しています。二次交通の利用を促進し、利用客の知らないスポットを提案する、ITを活用した観光施策を試してみませんか。

お問い合わせ

株式会社駅探

コンテンツビジネス部カスタマーディライトグループ

TEL:080-2218-8434
住所:〒102-0083 東京都千代田区麹町5-4 JPR麹町ビル
Eメール:maas@ekitan.co.jp
担当:田中

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